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第1章 長い夜の始まり……

雨が降れば…こう言った類の店の
客足は自然と遠のく…物だし
確かに今日は平日だ…。
それに…大通りからも離れてる
人通りが多い訳でもない…場所だし…。

『でも…奥は…賑わってますから…』

「奥？」

『……ええ…』

バニーガールの女は店の奥は
賑わっていると…言っていたが…。

店内には客は俺しか居ない。

もしかすると…あのカーテンの奥に
良くある…VIP席があって…
別の客は…楽しい時間を過ごしてるのか…？

「飲めるの？あるでしょ…ほら…
キャストドリンクってやつ…」

『そうですね…、今日は…
お客様は…あなただけ…ですので…』

「何か…適当に…作ってよ…２杯。
１人で飲んでも……味気ない…」

『かしこまりました…』

そう言って…彼女が…
カクテルを作る所を見ていた。

後ろにディスプレイされている
ボトルの数々は…単なる
飾りの品物ではなくて、
…ちゃんとしたカクテルが出て来る。

店の雰囲気は落ち着いて居るし
静かにゆっくりと飲むにはいい雰囲気で。
バニーガールのインパクトも
最初こそは驚きはしたが…
それも…ダイキリを飲み終える頃には
違和感も大分…自然に薄れて来ていた。