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バニーガールの穴の奥
第16章 そらとぶうさぎ
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俺がラビットホールのドアを開けると
カランカランカランと
ドアの裏のドアベルが鳴って。
裏口から先に…店の中に
入っていたユイが…
いつもの様子で
カウンタ―の中で出迎えてくれる。
『いらっしゃいませ……っ…』
「……笑い堪えてる…じゃねぇかよ…ッ」
俺の手前…笑ってはダメだと
笑いを堪えて居る様で、
ユイの方がブルブルと震えていて。
『すっ、すいま…せん……、
貴方が…あまりにも…可愛らしくてッ…』
「あのなぁ…男に可愛いなんて
言っても…誰も喜ばねぇよ…。
でも……喜びはしねぇけど…、
あの夜……みたいだな……」
ユイと初めてここで
出会ったあの夜も…俺は
ユイに…笑われたっけか…。
『どうぞ?』
中々指定の場所に座らない
俺に…ユイが声を掛けて来た。
あの夜…になぞらえながら。
「……」
俺は…あの夜を思い出しながら、
空いている5つ並んだ
カウンターの一番奥に座った。
昭和レトロなバーに流れているのは
落ち着いたムードのジャズミュージック。
『ご注文は…?』
「えっと…、確か…
”……何か…仕事の疲れを…
忘れられそうなのを…1杯……”」
あの夜の自分の最初の注文を
俺は思い出しながら、
ユイにカクテルをオーダーして。
『お待たせいたしました、どうぞ』
ユイは…ダイキリを俺の前に置いた。
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