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四宮教授のSM講義
第1章 講義一 卑劣な罠
一ヶ月ほど前に、友人が勝手にエントリーした、大学主催のミスコンテストで、わたしは二位に入賞しました。
どちらかというと大人しい性格のわたしは、肩が露出したデザインのオフショルダーやミニスカートなど、それまで着たことがありません。けれど憧れだったW大学に入学し、彼氏も出来て、自分には縁がないと思っていたミスコンという華やかな舞台を経験したので、自信過剰になり、少し大胆な気分になっていたのです。
講堂から出て、夏休みが近づき人影がまばらになった大学構内を歩いていると、後ろから呼び止められました。振り返ると、心理学の講義を受けている教授…穏やかな笑顔を浮かべている成海教授の姿が。小太りで髪の薄い、丸いメガネをかけた五十歳ぐらいの先生です。
今日の講義でわたしが質問したことについて、もう少し詳しく聞きたいとおっしゃいました。
「でも、このあと、人に会う約束があるんです」
「そんなに時間を取らせないよ。僕の研究室でもう少し君の話を聞きたいんだ。それに……」
穏やかな口調でしたが断われる雰囲気ではありません。相手は自分が講義を受けている教授で、しかも用件が講義内容に関わること、そして成績にも関係すると遠回しに仄めかされたら断われるはずがありません。
どちらかというと大人しい性格のわたしは、肩が露出したデザインのオフショルダーやミニスカートなど、それまで着たことがありません。けれど憧れだったW大学に入学し、彼氏も出来て、自分には縁がないと思っていたミスコンという華やかな舞台を経験したので、自信過剰になり、少し大胆な気分になっていたのです。
講堂から出て、夏休みが近づき人影がまばらになった大学構内を歩いていると、後ろから呼び止められました。振り返ると、心理学の講義を受けている教授…穏やかな笑顔を浮かべている成海教授の姿が。小太りで髪の薄い、丸いメガネをかけた五十歳ぐらいの先生です。
今日の講義でわたしが質問したことについて、もう少し詳しく聞きたいとおっしゃいました。
「でも、このあと、人に会う約束があるんです」
「そんなに時間を取らせないよ。僕の研究室でもう少し君の話を聞きたいんだ。それに……」
穏やかな口調でしたが断われる雰囲気ではありません。相手は自分が講義を受けている教授で、しかも用件が講義内容に関わること、そして成績にも関係すると遠回しに仄めかされたら断われるはずがありません。