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四宮教授のSM講義
第5章 講義五 愛の奴隷
「おまえをサロンに連れていく。名前は……Frauたちには花の名が付いている。おまえの名は私がつけてやろう」
「すべてはご主人さまの心のままに」

 そしてわたしはFrauリリーになりました。百合香から取った名前です。百合の花。

「百合には純潔、無垢という意味がある。かつてのフランス王家はFleur de lys……百合の紋章を使っていた」
「存じております。ご主人さま」

 ご主人さまが付けた条件とは、ゲストたちからの要望があっても性交はしない、というものでした。

「総帥D(ディー)の解釈とは異なるが、Frauは、私に言わせたら娼婦だ。だがしかし、セックスは拒否できる。だから……」

 珍しく言い淀んだご主人さまへ、

「わたしはご主人さまの女。ご主人さま以外には抱かれないと誓います」

 その足元にひざまずき、わたしは恭しく首を垂れました。






【四宮教授のSM講義】完結

参考文献 
「青色本」ルートウィヒ・ウィトゲンシュタイン著

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