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第4章 講義四　散らされる処女の華

「奴隷は調教部屋で躾けるものだが、女にとっては一生の一度の体験だ。おまえのLeben（人生）のなかで甘美な記憶であってほしいと私は願う」
「あ、あ、ううぅ」

　優しいお言葉に感激してしまい、御礼を申し上げるつもりが言葉になりません。

　後ろ手に緊縛されたからだで仰向けに横たわり、天井を見上げ、サラッとした少し冷たいシーツの感触を、痺れている腕と背中に感じていました。わたしは幸せでした。

「縄を解いてやろう」

　わたしを起こそうとするご主人さまへ、首を振ります。

「このままで……抱いてください」

　小さな声でお願いしました。恥ずかしさと期待と緊張のため、わたしの声はか細く震えています。

「……そうか。おまえがそう望むなら」

　優しくそうおっしゃり、わたしは再び、静かに横たわります。

　やがて、服を脱いだご主人さまが。恥ずかしい気持ちを押さえ、ご主人さまを迎えるために、わたしは立てた膝を開きました。

　ご主人さまが覆い被さってきます。熱い肌の感触……重さも匂いも、すべてを記憶に刻みます。いつまでも忘れないように。

「百合香……」