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特別捜査官・優子
第1章 遮断
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定石どおりに考えればよかったのかもしれない、優子は佐々木の心を深く読もうと難しく考えすぎていたのかもしれない。彼女は住所という手掛かりに触れ、表情を固くし、その場所に向かった。
そこは風俗街と呼ぶより、雰囲気は飲み屋街に近かった。大手の居酒屋チェーン店はなく、個人経営の飲み屋が多かった。道も狭く、大人二人が並んで歩くと、道が塞がってしまうほど狭い道が続いていた。
狭い路地を抜け、『ZERO DARK』(軍事用語:夜12時)と古びた立て看板の店が見えた。小規模のバーが多いエリアで、ここだけ平屋コンクリートの建物を店舗にしていた。奥行きがあり、細長い建物だった。壁は白く、煤(すす)で黒みがかっていた。とてもバーとは思えない外装だった。外壁に前テナントの看板だろう、跡が4つ見えた。辛うじて最後の文字が『院』に見え、以前は個人経営の医院だったのかもしれない、と優子はそんな印象を持った。
彼女は付近に2-3階建ての施設またはマンションがないか、スマホをバッグから出し、画面を見つめ、誰かと待ち合わせをしているように振舞っていた。指は短い文章を書き、「到着した」とハヤブサにメールを送信した。首は左右を向き、店の出入口を監視できる場所を探した。
そこは風俗街と呼ぶより、雰囲気は飲み屋街に近かった。大手の居酒屋チェーン店はなく、個人経営の飲み屋が多かった。道も狭く、大人二人が並んで歩くと、道が塞がってしまうほど狭い道が続いていた。
狭い路地を抜け、『ZERO DARK』(軍事用語:夜12時)と古びた立て看板の店が見えた。小規模のバーが多いエリアで、ここだけ平屋コンクリートの建物を店舗にしていた。奥行きがあり、細長い建物だった。壁は白く、煤(すす)で黒みがかっていた。とてもバーとは思えない外装だった。外壁に前テナントの看板だろう、跡が4つ見えた。辛うじて最後の文字が『院』に見え、以前は個人経営の医院だったのかもしれない、と優子はそんな印象を持った。
彼女は付近に2-3階建ての施設またはマンションがないか、スマホをバッグから出し、画面を見つめ、誰かと待ち合わせをしているように振舞っていた。指は短い文章を書き、「到着した」とハヤブサにメールを送信した。首は左右を向き、店の出入口を監視できる場所を探した。
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