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特別捜査官・優子
第1章 遮断
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優子は再び首を左に向けた。12-13階はあるマンションらしき建物が、店からさほど遠くない位置に建っていた。4階までは内科クリニック、メンタルクリニック、不動産会社、法律・特許事務所のテナントが入っており、その上は住居になっているようだった。
彼女はスマホをバッグに戻す際、フッと頬を緩ませた。店の周りに2-3階建てのアパート・マンションがなく、あるのはビル1棟のみ。4階までテナントが入り、定点監視をしたい側としては、監視ポストを設置できない。昼夜問わず人相を確認するには、低い角度から目視・撮影しないといけないからだ。その上は賃貸住居のようだったが、店の出入口がある方角に、窓や廊下が一切無かった。
〔なんて不思議な場所…隠れるには理想的…〕
入り口には誰も立っていなかった。バーの場合は、強面の男性がドアを守るという印象があるが、ここにはいなかった。一般的な形をした鉄扉があり、店への出入りは自由のようだった。
バッグの中のスマホが震えていた。優子はスマホを持ち、画面を見て、メッセージをタッチした。ハヤブサからだった。
彼女はスマホをバッグに戻す際、フッと頬を緩ませた。店の周りに2-3階建てのアパート・マンションがなく、あるのはビル1棟のみ。4階までテナントが入り、定点監視をしたい側としては、監視ポストを設置できない。昼夜問わず人相を確認するには、低い角度から目視・撮影しないといけないからだ。その上は賃貸住居のようだったが、店の出入口がある方角に、窓や廊下が一切無かった。
〔なんて不思議な場所…隠れるには理想的…〕
入り口には誰も立っていなかった。バーの場合は、強面の男性がドアを守るという印象があるが、ここにはいなかった。一般的な形をした鉄扉があり、店への出入りは自由のようだった。
バッグの中のスマホが震えていた。優子はスマホを持ち、画面を見て、メッセージをタッチした。ハヤブサからだった。
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