パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第1章 遮断

＋＋＋

佐々木との遭遇から2週間が経とうとしていた。男の目撃情報は全く入ってこない。海外逃亡も考えられたが、空港管理局も『該当人物が出国した形跡はない』という報告だった。優子は自身の失敗が招いたことだと、罪悪感に押しつぶされそうになっていた。行きつけのカフェでコーヒーを飲み、視線を落としていた。収穫がなかった重苦しい1日に、深く溜息をついていた。

彼女のスマホが小刻みに震えていた。そのリズムは『ハヤブサ』用の設定だった。
『風俗街を調べてみたか…？』
すぐに優子は、『いえ、調べていないです』
と返信を書いていたが、そこに追加のメールが届く。

優子の目は輝きを取り戻していく。そこにはバーの名前と住所が記載されていた。
〔ここから近い…〕

彼女はすぐに席を立ち、新たな手掛かりへと足早に歩みを進めた。

風俗街は逃亡者の潜伏場所として、その関係性は古くから知られていた。裏社会の象徴ともいえる風俗街。合法と違法が紙一重であり、犯罪者は理解者を求め、風俗街で身分を偽り、金を貯え、次の行動に移す。