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特別捜査官・優子
第1章 遮断
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オーナーは優子を後ろに従え、レンガ調の細い通路を抜け、奥へと進んでいた。通路も紫色のライトが使用され、薄暗い空間の足元を照らしていた。
受付の男性スタッフは彼らが奥へ消えると、出入口の扉を施錠した。そしてカウンター下に設置されていた小さなボタンを押した。そのボタンが押されたことにより、外壁内部のシールド材(特殊金属)が作動した。それは電磁波を遮断し、最寄りの電波基地局との通信が不通となった。携帯電波の送受信信号が全て途絶えた。
大臣の娘たちの携帯電波が、なぜ同時に途絶えたのか、その技術的要因に優子が気付くことができていたら、彼女は引き返せたのかもしれない。特別捜査官は退路を断たれ、闇の世界に足を踏み入れてしまった。
優子は突き当りにある部屋に通された。そこは客を迎え入れる部屋というより、衣裳部屋もしくは楽屋という感じだった。ここも明るさを落としたオレンジ系のライトが部屋を照らしていた。ハンガーには女性用の衣装が並び、壁かけ鏡、メイク台があった。だが部屋にはオーナーと優子しかいなかった。女性が一人もいないことに警戒心が増していく。
受付の男性スタッフは彼らが奥へ消えると、出入口の扉を施錠した。そしてカウンター下に設置されていた小さなボタンを押した。そのボタンが押されたことにより、外壁内部のシールド材(特殊金属)が作動した。それは電磁波を遮断し、最寄りの電波基地局との通信が不通となった。携帯電波の送受信信号が全て途絶えた。
大臣の娘たちの携帯電波が、なぜ同時に途絶えたのか、その技術的要因に優子が気付くことができていたら、彼女は引き返せたのかもしれない。特別捜査官は退路を断たれ、闇の世界に足を踏み入れてしまった。
優子は突き当りにある部屋に通された。そこは客を迎え入れる部屋というより、衣裳部屋もしくは楽屋という感じだった。ここも明るさを落としたオレンジ系のライトが部屋を照らしていた。ハンガーには女性用の衣装が並び、壁かけ鏡、メイク台があった。だが部屋にはオーナーと優子しかいなかった。女性が一人もいないことに警戒心が増していく。
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