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特別捜査官・優子
第2章 服従のしるし
背後から佐々木の足音が聞こえ、同時に鉄の何かがガラガラと転がる音も聞こえていた。

「さあ行こうか…警察に君の居場所を特定されてしまうからな…」
佐々木は優子にこれ以上の挫折を与えないよう、携帯電波遮断のことは伏せることにした。

優子は背中に掛けられた縄に、何かが引っ掛けられた気がした。背後から鎖を巻き付ける、ジャラジャラという音が聞こえ、優子は首だけ背後に向けた。それが何なのか、暗くてよく見えなかった。だが自身の上体が吊り上げられる感覚が伝わり、「ンッ…」と声を出していく。

その感覚は間違っておらず、優子の上体はじわじわと吊り上げられ、彼女は首を左右に揺らし、「ンンッ…」と抗議の声を上げるが、鎖の音が響く間は、体の動きが止まらない。まずはお尻が浮き、吊り上げられる力を借り、優子は強制的に立ち上がることを求められた。

鎖は天井から下がる糸のように垂れ、その緊張を維持し、優子の背中に引っ掛けられたフックが彼女の体を持ち上げていた。体が直立できた際、優子は天井を見上げ、鎖の先に滑車が付いているのを見止めた。自身の手が決して届かない位置の滑車を見つめ、体の力が抜けていく。それでもなお鎖は優子の体を持ち上げ、「ふぅっ…ふぅっ…」と鼻から息が漏れても、それは女の上体が前屈みになるまで引き上げられていく。
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