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特別捜査官・優子
第2章 服従のしるし
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「悪いがこの先は非公開だ…」
男は鉄扉の横にあるカメラに自身の顔をスキャンさせた。カメラがスキャンしたのは顔ではなく、耳だった。耳の形は千差万別で1人1人により形が違う。佐々木一輝の耳の形は1つしかなく、システムが認証エラーを起こさなければ、間違いのない認証方法だった。
佐々木は鉄扉を抜け、すぐに緩やかな下り、斜坑のトンネルを進んでいた。通路は大人が手を広げれば、両側の白壁に手のひらが触れるほど狭い。斜坑トンネルを30mほど進むと、フラットな通路は50mあり、高速道路のジャンクションのようにレールが左右に分かれていた。両サイドの鉄や木の扉の向こうには部屋がある。鉄扉の部屋には爆発物、木扉の部屋には銃器類が保管されていた。もちろん佐々木が得意とするハッキング用のサーバーもこの地下に収納されていた。その部屋の存在を優子に見せないため、佐々木は彼女に目隠しをした。そして天井のレールは爆発物や銃器類を運搬するためのものだった。
優子はひんやりとする空気を肌感覚として感知した。先程までの空気とは違い、温度、湿度共に下がっているのを感じ取っていた。坂を下ったという平衡感覚があり、ここは地下道なのではないかと推測していた。
優子の推察どおり、佐々木は地下通路を抜け、別の建物へと移動しようとしていた。それは優子が怪しいと目星を付けていた、あのテナントが入っていたビルだった。佐々木はハヤブサから届いた貢物を大切に梱包し、傷がつかないようレールを使い、丁寧に輸送した。
男は鉄扉の横にあるカメラに自身の顔をスキャンさせた。カメラがスキャンしたのは顔ではなく、耳だった。耳の形は千差万別で1人1人により形が違う。佐々木一輝の耳の形は1つしかなく、システムが認証エラーを起こさなければ、間違いのない認証方法だった。
佐々木は鉄扉を抜け、すぐに緩やかな下り、斜坑のトンネルを進んでいた。通路は大人が手を広げれば、両側の白壁に手のひらが触れるほど狭い。斜坑トンネルを30mほど進むと、フラットな通路は50mあり、高速道路のジャンクションのようにレールが左右に分かれていた。両サイドの鉄や木の扉の向こうには部屋がある。鉄扉の部屋には爆発物、木扉の部屋には銃器類が保管されていた。もちろん佐々木が得意とするハッキング用のサーバーもこの地下に収納されていた。その部屋の存在を優子に見せないため、佐々木は彼女に目隠しをした。そして天井のレールは爆発物や銃器類を運搬するためのものだった。
優子はひんやりとする空気を肌感覚として感知した。先程までの空気とは違い、温度、湿度共に下がっているのを感じ取っていた。坂を下ったという平衡感覚があり、ここは地下道なのではないかと推測していた。
優子の推察どおり、佐々木は地下通路を抜け、別の建物へと移動しようとしていた。それは優子が怪しいと目星を付けていた、あのテナントが入っていたビルだった。佐々木はハヤブサから届いた貢物を大切に梱包し、傷がつかないようレールを使い、丁寧に輸送した。
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