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特別捜査官・優子
第1章 遮断
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優子は最前列に立たない男の姿を見て、警戒心の強い人物だと推測した。駅のホームや信号待ちで最前列に立てば、背後を歩く人物とぶつかり、ホームに転落または道に飛び出してしまう。それはアクシデントを装い、要注意人物を消す常套手段だったからだ。
優子は席を立ち、駅の中央改札へ続く通路に出た。会社員たちの帰宅時間帯と重なっていた。人ごみに紛れて姿を消す、これも基本中の基本だった。彼女は佐々木の姿を見失わない、一定の距離感を保ち、男を尾行していく。
男は中央改札を抜け、エスカレーターを下りた。優子も同じエスカレーターに乗り、ホームに向かって行く。佐々木から少し離れた列に並び、電車が来るのを待った。
優子は視線の隅で男が電車に乗り込むところを捉えていた。ハヤブサの情報により、佐々木の潜伏・行動地域を3つに絞ることができていた。3か所の内、1か所でも正しければ、佐々木は次の駅で降りるはずだった。だが男はその駅で降車せず、1駅先で地下鉄に乗り換えていた。そして都心から離れるルートを取っていた。車内の地下鉄マップに目を通し、この路線が第2候補地に向かっていることに気付く。そこまであと2駅。彼女は男の存在を、車内の大きな窓で遠目から確認していた。
優子は席を立ち、駅の中央改札へ続く通路に出た。会社員たちの帰宅時間帯と重なっていた。人ごみに紛れて姿を消す、これも基本中の基本だった。彼女は佐々木の姿を見失わない、一定の距離感を保ち、男を尾行していく。
男は中央改札を抜け、エスカレーターを下りた。優子も同じエスカレーターに乗り、ホームに向かって行く。佐々木から少し離れた列に並び、電車が来るのを待った。
優子は視線の隅で男が電車に乗り込むところを捉えていた。ハヤブサの情報により、佐々木の潜伏・行動地域を3つに絞ることができていた。3か所の内、1か所でも正しければ、佐々木は次の駅で降りるはずだった。だが男はその駅で降車せず、1駅先で地下鉄に乗り換えていた。そして都心から離れるルートを取っていた。車内の地下鉄マップに目を通し、この路線が第2候補地に向かっていることに気付く。そこまであと2駅。彼女は男の存在を、車内の大きな窓で遠目から確認していた。
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