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特別捜査官・優子
第4章 裏の顔
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この右側のラップトップは、優子が持っていた仕事用、プライベート用、2台のPIN CODE(暗証ロック)を数秒で解読した。続いて小さなウインドウは『UPLOADING』と表示され、青いインジケータが右に伸びていく。こちらは約1分かかり、スマートフォンのデータをPCに取り込んでいた。それが済むと男はスマホをケーブルから外し、再び電源をオフにしていく。
男は机に置いた自身のスマホが光るのを見て、メールを開けた。
『STUFF PACKED, IT’S IN OVEN NOW』
(具材は詰め込んだ。今はオーブンに入れてある)
とだけ書かれたメールを読んだ。
佐々木はフッと笑みを浮かべ、別のラップトップに写る女を見つめ、返信を書いた。
『COOK IT UNTIL DONE』と返信した。
(よく焼けるまで料理しろ)
「まるで君みたいだな…」と佐々木はモニターを見つめ、小さく呟き、新たなタバコに火を点けた。
男とやり取りしていたのはハヤブサだった。与えられたミッションが今夜中に完了しそうであった。もちろんこれは2人で交わされた暗号メールであった。もし傍受した者がいても、英語でのやり取りに注意を払わず、オーブンで何かを焼く内容など、どうでもいいと判断するだろう。
『STUFF』は荷物、
『OVEN』はトラック、
『COOK』は輸送を意味していた。
『DONE』は通常『ダン』と発音するが、
ここではあえて『ドーン』と読ませ、
同音異語の『DAWN(夜明け)』
を意味していた。
男は机に置いた自身のスマホが光るのを見て、メールを開けた。
『STUFF PACKED, IT’S IN OVEN NOW』
(具材は詰め込んだ。今はオーブンに入れてある)
とだけ書かれたメールを読んだ。
佐々木はフッと笑みを浮かべ、別のラップトップに写る女を見つめ、返信を書いた。
『COOK IT UNTIL DONE』と返信した。
(よく焼けるまで料理しろ)
「まるで君みたいだな…」と佐々木はモニターを見つめ、小さく呟き、新たなタバコに火を点けた。
男とやり取りしていたのはハヤブサだった。与えられたミッションが今夜中に完了しそうであった。もちろんこれは2人で交わされた暗号メールであった。もし傍受した者がいても、英語でのやり取りに注意を払わず、オーブンで何かを焼く内容など、どうでもいいと判断するだろう。
『STUFF』は荷物、
『OVEN』はトラック、
『COOK』は輸送を意味していた。
『DONE』は通常『ダン』と発音するが、
ここではあえて『ドーン』と読ませ、
同音異語の『DAWN(夜明け)』
を意味していた。
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