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第4章 裏の顔

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体を揺らす優子は、前方の壁に映る姿を見て、「う…噓でしょう…」と呟いた。全身の力が抜け、背中のフックに吊られてしまう。「はぁ…」と弱々しい吐息を漏らし、縄に身を委ねてしまう。

彼女が目の当たりにしたのは、背後のカメラで撮影されている、優子の後姿だった。それが正面の壁に写し出されていた。

後ろに伸ばされた両腕は、縄により完全に包まれていた。両腕を線路に例えるなら、まるで線路に敷かれる枕木のようだった。縄が枕木のように等間隔で、二の腕から手首まで腕を横断していた。体の正面のように、肩でできたV字の縄が起点となり、縄が背骨のように体の中心を走っていた。それは枕木のように横断していた縄に、1つ1つ繋ぎ合わされ、下に伸び、後ろに縛られた手首まで伸びていた。その縦に伸びる縄の仕上げが、縄の外側に螺旋状に巻き付ける処理がされ、それは縄を太く、強くさせる方法だった。最も大きな利点は、縄の結び目をしっかりと覆い隠すことができる点だった。

同じ仕上げをされた手首と足首を結ぶ太いしめ縄。それが優子の肉体の中心軸を、赤い縄で締め、それが足首まで伸びていた。優子の体を吊るし続けるフックは、横の縄と縦の縄が重ね合わさるポイントで引っ掛けられていた。

女はまるで縄細工を施された後姿に、ただ壁を見つめるだけだった。絶望的な縛りをされ、諦めが写る背中を見つめていた。完膚なきまで打ちのめされ、優子は肩の力がガクッと落ちた。その様子を正面の壁で見つめていた。肩を丸め、風前の灯火のような弱々しい姿だった。