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第5章 誘導尋問

背景が緑色になった写真には、胸と手の甲に明るい点が照射され、警棒をステージ上で落とし、男に両手を後ろに回される写真もディスプレイされていた。緑色の背景は暗闇の中でも写る、暗視用の高感度カメラだと、優子も理解できた。

口の中で女の舌が男の指に摘ままれ、優子は口を閉じられなくなる。「ふぅ…ふぅ…ふぅ…」と首をそっと揺らし、視線は自身が尾行されていた証拠写真に目が奪われていた。大臣の娘たちを追う内に、自分自身が佐々木のターゲットにされていた。体を揺らし、凍り付いたように動かない肉体を感じ取った。

男の唇が優子の耳を甘く咬み、指が口の中をかき乱し、手のひらが女の胸に添えられた。優子は自身が他の誰かに明け渡されるのではなく、男の毒牙にかかるのだと、全てが規定事項だと、もはや手遅れだと悟った。抗おうと身をよじり、「ぁんっ…」と抑えられない声を漏らしていた。抗いたい気持ちが強くなればなるほど、匂いたつ女の肉体変化を嗅ぎつけ、その先の行く末を、男の腕の中で泳がされる自身の姿を頭に浮かべ、優子は目を閉じ、「んっ…」と望まない吐息を漏らしてしまう。