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特別捜査官・優子
第6章 瑞々しい果実
佐々木には女が自身の弱い箇所を肉体の表側にあると、無意識に自白したような行為だった。

「君はもう弱みを見せてしまった…女としての弱みをな…」

男は思いがけない収穫があったとは女に伝えなかった。特別捜査官を縄の網で捕らえ、男にはない武器をこの女から強く感じ取っていた。涙1つ流さない強靭な心と、隠すことができない女としての潜在的な素養に、男は抗うことができなかった。

「君は男に勘違いさせる女なのかもな…男に自分に好意があるのではないかと思わせてしまう…実は人に否定されるのが嫌で…その場の雰囲気に流されてしまうんじゃないか…・?」

その言葉に優子は頭に血が上るような感覚になり、躰をねじって男を睨もうとした。だが男の体が優子の足首付近に腰を下ろし、女はうつ伏せのまま動けなくなった。

佐々木は約2週間、優子を調べていく内に不自然な点を見つけていた。それは過去に3人の男しか交際していないという、彼女の恋愛遍歴だった。優子の外見を考えれば、驚くほど少ない数だった。それは庁内でもほとんど知られていない、貴重な情報だった。
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