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悪いオンナ…3
第1章 【癒しの彼女には両想いの彼氏が居て……】
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「何で来たの?」って精一杯の強がり
目を見ると吸い込まれちゃうから咄嗟に逸らした
ショップ袋を持ったままの僕に近付いて
「来たらダメだった?」とかわざと僕を試す言い方
パーカーをツンツン指差して
「次に会える口実、じゃなかったっけ?」って僕の顔を覗き込んでくる
嫌でも目が合って、逃れられない状況
でも空気を読んでサッと引くのも彼女は上手い
「ごめん、怒ってるよね……渡したかっただけだし、顔見れたから帰るね」
背中を向けられて急に不安が襲ってきた
「答えになってないよ」って腕を掴んで止める
僕が聞きたいのはそんな事じゃない
「僕に会いたくなかったの…?コレがなきゃ、もう会いに来なかった?」
やめろ、格好悪い………
頭ではそう思って自制しようとするのに
どんどん口から出てしまう
「わかってるよ、僕たちの関係は……納得してるつもりだよ、でも……待ってる間、もうどうしたら良いかわかんなくて……」
やめろ、泣くな………
頭冷やせ
これ以上彼女が引いてしまったら
本当にひとりぼっちだぞ
「僕だけが一方通行だ………ごめん、こんなセフレ嫌だよな、だから会いに来なかったんでしょ?僕の方が、好きな気持ちが大きいから…」
またこっちに来たから涙拭いたりして期待持たせるような事されるから「大丈夫、自分で拭くから」ってティッシュ持ってこようとしたのに、顔ごと持たれて……
ズルいよ……こんな時にキスだなんて………
「何で……今、キス?」
「キスしたら、黙るかと思って……ごめん、軽率だった」
言葉、見失ったけど……この空気はマズい
一度昂った気持ちはなかなか収まらない
何で火をつけるんだよ……また僕で遊ぶのか?
誰にでもこんな事してるの?
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