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蛇の檻
第5章 ――誇りの試練
静寂を裂くように、仮面の男――**玄蛇(げんじゃ)**がゆっくりと立ち上がる。

玲奈の目の前で、彼は黒革の手袋をはめた指先で小さな瓶を取り出した。

琥珀色の液体が、灯りを受けて妖しく輝く。

それが何なのか、玲奈には分からなかった。
だが、周囲に立ち並ぶ仮面の男たちが、微かにざわめくのを感じる。

「これが何か、分かるか?」

玄蛇の声は低く、穏やかだった。
だが、その響きの奥にあるものは冷たかった。

玲奈は答えない。

玄蛇は、瓶の中の液体を静かに揺らした。
粘度のあるそれは、瓶の内側に絡みつくようにゆっくりと流れ落ちる。

「これは、とある南方の密林で採取された”樹液”から作られたものだ」

玲奈の眉がかすかに動く。

「地元では”蛇の涙”と呼ばれている」

「この液を飲んだ者は、自らの意志とは関係なく、身体が本能に従うようになる――そう報告されている」

観客の間で、くぐもった笑い声が漏れた。
だが、玄蛇は微笑みすら浮かべず、ただ淡々と続けた。

「この液は、軍事研究の一環としてある国で”人道に反する実験”に使われたこともある」

「そして、その被験者たちがどうなったか――記録はすべて封鎖された」

琥珀色の液体が、瓶の中で揺れる。
玲奈は静かに息を飲んだ。

玄蛇は、瓶の栓を取り、ゆっくりとその液体を手のひらに垂らした。
粘ついた雫が、仮面の奥の瞳に映りこむ。

「さて――これが本当に”効果”を持つのかどうか」

「お前の誇りを賭けて、試してみようか」

玲奈は拳を握った。

観客たちの間から、狂気を孕んだ歓声が響く。
それはまるで、神聖な儀式を待ち望む信徒の熱狂のようだった。

「さあ、始めよう」

玄蛇の声が落ちた瞬間、
玲奈の肌に、冷たい液体がそっと塗り込まれた――。

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