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蛇の檻
第5章 ――誇りの試練
玲奈の呼吸が早く荒くなる。

頬を伝う汗が首筋へと滑り落ち、肌にまとわりつく。目には、うっすらと涙が浮かぶ。

違う。これは、違う…。

そう思い込もうとするたびに、体の奥底から熱がせり上がってくる。

何かが確実に変わり始めていた。

薬のせいなのか。
それとも――自分の知らない”何か”が目を覚ましたのか。

玲奈は歯を食いしばった。
「これは、私じゃない……っ……」

視線を上げると、玄蛇の仮面が冷ややかに光を反射していた。

「フ……面白いな」

低く、穏やかだが、どこか楽しげな声だった。

「お前は”気高さ”にすがることで、自分を保とうとしているんじゃないのか?」

玲奈は反射的に首を振る。

「私は……そんな……あっ!」

何を否定すればいいのか、自分でも分からなくなる。

揺れる意識の中で、言葉が喉の奥に詰まる。

玄蛇は、仮面の奥で微かに笑う。

「では、なぜお前は震えている?」

玲奈の指先が小さく震える。

それに気づいた瞬間、さらに強く拳を握りしめた。
負けるものか。こんなものに。

玄蛇は静かに手を伸ばし、玲奈の顎を持ち上げた。

「自分の心に問いかけてみるといい」

玲奈は息を呑む。

「お前は本当に、気高く生きてきたのか?」

玄蛇の声が、玲奈の意識に深く沈み込んでいく。

「それとも――“支配されること”を、本能のどこかで望んでいたんじゃないのか?」

玲奈の肩がかすかに震える。

違う。違うわ……!

それなのに、なぜ否定の言葉がうまく出てこない?
観客の間から、誰かが息を呑む音がした。

玄蛇は玲奈の反応を楽しむように、ゆっくりと言葉を紡いだ。

「……一緒にゆっくり探そうじゃないか。お前の本質を」
そして、仮面の奥で微笑む。

「ここにいる皆さんにも、手伝ってもらおう」

玲奈の背筋に、冷たいものが走った。

宴は、まだ終わらない。
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