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蛇の檻
第8章 ーー落ちる意識
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「手を止めるな。」
玄蛇の命令が、仮面の奥から冷たく響いた。
その言葉が合図となり、観客たちの間に新たな熱が生まれる。
それはまるで、尽きることのない炎。
夜の闇が、それをさらに濃く燃え上がらせる。
幾重にも連なる影が揺れ、途切れることなく続いていく。
――次々と。
彼らは交代しながら、熱を持ち、絶え間なく。
時間が溶ける。
時計の針がどれほど進んだのか、もう誰にも分からない。
ただ、絶え間なく続く流れが、空間を支配していた。
「まだ終わりではない。」
誰かが呟いた。
その言葉に、また一つ、暗い歓声が沸き上がる。
玲奈の意識は、すでに霧の向こうへと沈んでいた。
抗うことも、逃げることもできないまま。
ただ、深く、静かに沈んでいく。
夜は終わらない。
影が交錯し、尽きることのない波のように繰り返される。
それは儀式のように続き、誰も終わらせることを考えなかった。
どれほどの時間が流れたのか。
何が起こっているのか。
――玲奈は、もう知らない。
そして、闇の中、彼女が目を覚ますことはなかった。
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