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蛇の檻
第10章 第二夜 開宴
第10章第4話――競り落とされる運命

「――1億だ。」

場内が一瞬、静まり返る。

玲奈の頭が真っ白になった。

次の瞬間、歓声が炸裂する。

「1億だと……!?」

「とんでもない額が……!」

「さすがだな……!」

熱狂する観客たち。

そして、玲奈は理解する。

――もう、何もかもが決まってしまった。

「決まりだ。」

玄蛇の言葉が、玲奈の耳に突き刺さる。

静まり返る場内。
すべての視線が、競り落とした”男” に向けられる。

玲奈は、ゆっくりとその男の方へと視線を向けた。

そして――。

「……っ……!」

息を呑んだ。

そこにいたのは、醜悪な姿をした初老の男だった。

大柄で、太った身体。
皮膚はたるみ、厚い唇が不気味に歪む。
脂ぎった指先が、不快なほどゆっくりと動いた。

仮面の下の目が、玲奈を舐め回すように見つめている。

――この人が、私の……?

玲奈の喉が凍りつく。

「……そんな……こんなの……ありえません……。」

声が震えた。

足が冷たくなる。
自分の体が、今どこにあるのかすら分からなくなっていく。

これが、私の”運命”なの?

この男が――私の”主”?

視界が滲む。
逃げ場のない現実が、玲奈を飲み込んでいく。

そして、玄蛇が静かに言葉を紡いだ。

「今夜、お前は”彼”のものだ。」

玲奈の全身から、力が抜け落ちた。

“絶望”という言葉すら、もう霞んでいく――。
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