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蛇の檻
第11章 第1話――沈む刻
第11章第1話――沈む刻

玲奈の身体は、再び冷たい拘束の中に沈んでいた。

――また、同じ場所へ。

玄蛇の指示により、玲奈の両手両足は円形の台に固定される。
昨夜と同じX字の態勢。

金属の冷たさが、皮膚に食い込む。
手首、足首――締めつけられる感覚が、玲奈の心をさらに追い詰めていく。

自由はどこにもなかった。
再び、視線の中心に据えられる。

その時――。

重い足音が響いた。

玲奈は息を呑んだ。

“あの男” が、ゆっくりとこちらへ歩いてくる。

さっき競り落としたばかりの、大柄で醜悪な初老の男。

たるんだ皮膚、厚い唇、不快なほどなめらかに動く指先。
仮面の奥の瞳が、玲奈をじっと見据えていた。

彼の足音は、異様にゆっくりだった。
まるで、この瞬間を楽しむかのように、一歩ずつ確かめながら。

「……っ……」

玲奈の胸の奥に、じわじわと冷たいものが広がる。

逃げることはできない。
抵抗することも許されない。

手足を縛られたまま、玲奈はただ、迫る影を見つめるしかなかった。

「……こんなの……ありえません……」

震える声が漏れる。

しかし、その囁きは、観客の熱狂をさらに高めるだけだった。

低いざわめき。
昂る期待。

それらのすべてが、玲奈の耳を圧迫する。

そして――。

「お前の運命は、決まった。」

玄蛇の冷ややかな声が、玲奈の絶望をさらに深く刻み込む。

彼女の運命を知るのは、彼女自身ではなかった。

夜は、再び沈んでいく。

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