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蛇の檻
第11章 第1話――沈む刻
第11章第2話――抗う者

玲奈の胸の奥で、張り詰めた糸が音を立てて震えた。

拒絶しなければならない。
この運命を、認めてはならない。

彼女はまだ、意志を持っていた。

拘束された手足がわずかに震える。
金属が擦れる音が、異様に大きく響いた。

観客たちはそれに敏感に反応する。
熱気が高まり、低いざわめきが会場を包む。

「……こんなの……認められるはずがありません……!」

玲奈は震えながら、声を絞り出した。

「ほう……」

玄蛇が、仮面の奥で微笑む。

「まだ、そんなことを言うのか?」

玲奈は、ぎゅっと唇を噛んだ。
これがどういう状況なのか、理解できないわけではない。
それでも、受け入れることだけはできなかった。

その時だった。

重い足音が響く。

玲奈は、息を呑んだ。

彼女の前に、ゆっくりと大柄な影が近づいてきた。

競り落とした男。

大柄で醜悪な初老の男。
たるんだ皮膚、分厚い唇、汗ばんだ肌。
玲奈を値踏みするように、仮面の奥の目がじっと見つめている。

「フフフ……」

玲奈の心臓が跳ねた。

視線が――嫌悪感とともに、肌を這うようにまとわりついてくる。

「……っ……」

玲奈は、かすかに身じろぎした。
しかし、手足を締めつける枷が、それを許さない。

「抗うか?」

玄蛇の声が響いた。

玲奈は、視線を上げる。

彼の仮面の奥の瞳は、玲奈のすべてを見透かしているようだった。

「お前の誇りがどこまで通用するか――試してみるといい。」

玲奈の喉が詰まる。

観客たちは、さらに熱を帯びていく。
まるで、この瞬間を待ちわびていたかのように。

「さあ、どうする?」

玄蛇の言葉が、玲奈の意識に鋭く突き刺さる。

彼女は、最後の力を振り絞った。

「私は……私は、絶対に屈しません……!」

男たちの笑い声が響いた。
玄蛇はただ、静かに玲奈を見つめていた。
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