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蛇の檻
第11章 第1話――沈む刻
第11章第3話――崩れゆく理性

玲奈の心は、薄氷の上を歩くように揺らいでいた。

「私は、絶対に屈しません……!」

そう叫んだのは、ほんの数秒前のことだった。
けれど、その言葉はまるで、遠い過去のもののように感じられる。

じわじわと包み込む視線。
どこまでも冷たく、どこまでも熱を帯びた空気。

――私は、本当に抗えるの?

玲奈の唇がかすかに震える。

「……フフ」

そのわずかな動きさえ、見逃さない者がいた。

仮面の奥から玲奈を見つめる玄蛇。

「まだ意地を張るか?」

玲奈は視線を上げる。

玄蛇の瞳が、まるで玲奈の思考をすべて見透かしているかのように、揺らぎの奥を覗き込んでいた。

「お前はもう、分かっているはずだ。」

玲奈の胸が締め付けられる。

「……分かっている、とは……」

かすれた声で問いかける。

玄蛇は微かに微笑んだ。

「お前の本質が、どちらにあるのか。」

玲奈は、思わず息を呑んだ。

その時――

重い足音が響く。

玲奈は本能的に首を振った。
目の前に迫る影。

大柄な男。
肉厚な唇が、歪んだ笑みを作っている。

彼女を競り落とした男だった。

玲奈の全身に、冷たい戦慄が走る。

「フフフ……」

男の目が、玲奈の肌を舐め回すように動く。

「……っ……」

玲奈の指先が、わずかに震えた。

「逃げられないぞ?」

玄蛇の声が、玲奈の耳に突き刺さる。

観客たちの期待が、熱を持ち始める。
彼らは、玲奈の小さな反応ひとつにさえ、敏感に反応していた。

「……いや……」

かすれた声が零れる。

だが、それすらも、彼らの歓声に飲み込まれていく。

玄蛇は静かに微笑んだ。

「さあ――お前の答えを見せてみろ。」

玲奈の意識が、深く沈んでいく。

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