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蛇の檻
第12章 終わりなき闇の序曲
第12章第1話

巨漢の男が、満足げに息を吐き出した。
張り詰めていた空気が、ふっと緩む。

まるで、狩りを終えた獣が、獲物を前にして安堵するかのようだ。
その巨体がゆったりと、誂えたかのような特注の椅子に沈み込む。
男の顔には、隠しきれない優越感が滲み出ていた。
「期待以上だったな」
その言葉は、まるで会場全体に響き渡るように発せられた。
観客たちは、待ち焦がれていた言葉に、堰を切ったように歓声を上げた。
熱狂が、再び会場を支配する。
X字に拘束された玲奈は、虚ろな目で視線を彷徨わせる。
一点を見つめるのではなく、ただ、何かから逃れるように、彷徨い続ける。
頬を伝う涙は、悲しみや苦しみといった単純な感情ではなく、もっと複雑で、もっと深い絶望を物語る。
体に残る鈍い痛みは、夢ではない現実を突きつける。
意識は朦朧とし、現実逃避を求めるが、残酷な現実は、それすら許さない。
仮面の奥から、玄蛇の冷徹な視線が玲奈に注がれる。
感情の欠片も見えないその瞳は、まるで獲物を値踏みするかのようだ。
「お前は、また一つ知ったな」
その声は静かで、まるで感情を宿していない。
玲奈の変化を確かめるように、玄蛇は彼女を冷静に観察する。
その視線は、まるで深淵を覗き込むようで、玲奈に更なる絶望を与える。
「さぁ、次のオークションを始めよう。次に玲奈を競り落とすのは誰かな?」
玄蛇がそう告げると、会場の熱気が一気に高まる。
観客たちの興奮が渦巻く中で、玲奈の心には、逃げ場のない絶望が広がっていく。
彼女は、まるで深海の底に沈んでいくように、絶望の淵へと引きずり込まれていく。
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