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第12章 終わりなき闇の序曲

第6話


玄蛇は、一瞬、沈黙した。
観客たちがざわめき始める。
「おや？ 彼女はまだ抵抗するつもりか？」

玄蛇は、玲奈をじっと見つめた。
「お前が自由になれば、それが何を意味するか、分かっているのか？」
玲奈は、揺るがぬ瞳で玄蛇を見つめ返した。
「……分かっています」

新たなリスク
玄蛇は、ゆっくりと手を上げた。
「いいだろう」
玲奈を拘束していた鎖が、外される。
しかし、その瞬間、観客たちの視線が変わった。
今までは「拘束された玲奈」を見ていた彼らが、今度は「無防備な玲奈」を見つめている。
玲奈は、一歩も動けない。
玄蛇は、仮面の奥で微笑んだ。
「お前は、自由になったと思うか？」
玲奈の背筋に、冷たいものが走った。

玲奈の新たな試練
玲奈は、気づいた。
（私は……守られていた？）

拘束されていたことで、少なくとも「一定のルール」は存在した。
しかし、今は？
観客たちの反応が、変わり始める。
玄蛇が、低く囁いた。
「お前は、自ら檻を壊した」
「ならば……その責任を取るがいい」

玲奈は、自由を得たはずなのに、より大きな檻の中にいることを知った。
彼女はどうする？
玄蛇は、それを試そうとしている。
玲奈の戦いは、ここから始まる――。