この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
蛇の檻
第17章 最終章 『神は消える』
【エピローグ】神の伝説

玲奈が消えてから、どれほどの時が経ったのか。

男たちは、夜ごとに彼女の名を呼んだ。
消えた神を忘れぬように、彼女の姿を思い描くように、
狂おしいほどに、玲奈の影を追い続けた。

玲奈は、神だった。
彼らの欲望を満たすために存在し、
彼らの手によって貪られ、
それでも微笑み続ける偶像。

だが、彼らは理解していなかった。
玲奈が「神」ではなかった瞬間など、一度もなかったことを。
彼女は最初から、誰のものでもなかった。

──そして、ある日、玲奈は消えた。

男たちは叫んだ。嘆いた。祈った。
神が消えた。神がどこにもいない。
神はなぜ、我らの前から姿を消したのか。

やがて、彼らの間に噂が広がり始めた。

「玲奈は、神の国へ還ったのだ」
「玲奈は、我々の穢れをすべて受け入れ、その身を天へと昇らせた」
「いや、玲奈はまだこの世界にいる。我々が気づかないだけだ」

そして、いつしか玲奈は 「失われた神」 として語り継がれるようになった。

それから何年もの時が過ぎた。

玲奈のいた場所は、やがて 「聖地」 と呼ばれるようになった。
男たちはそこを訪れ、静かに跪いた。
彼らは、玲奈を崇拝していたのではない。
彼らは 玲奈を手に入れることができなかった自分たちの罪を悔いていた。

そして、ある日、一人の男が言った。

「俺は、玲奈を見た」

男たちは息を飲んだ。

「どこでだ?」
「夢の中か?」
「それとも、玲奈が本当に戻ってきたのか?」

男は答えた。

「……夜の闇の中だ」

彼は、ひどく怯えた表情をしていた。
それは、畏怖とも、狂気ともつかない表情だった。

「玲奈は、微笑んでいた……」
「俺の目の前で、何も言わず、ただ微笑んでいたんだ……」

それを聞いた者たちは、互いに顔を見合わせた。
すると、別の男が囁いた。

「……俺も見た」

「俺もだ」

「玲奈は、俺たちの中で、まだ生きている」

彼らの間に 「玲奈の幻影を見る者」 が現れ始めた。
夜の帳の中に、
鏡の中に、
街角の人混みに、

玲奈は、どこにでも現れた。

それは幻なのか、それとも本当に玲奈がそこにいるのか。
誰も分からない。
/62ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ