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蛇の檻
第3章 『蛇の檻』 第三章 ――揺らぐ意識
幼いころから、玲奈は自分に課せられた役割を全うすることを求められた。

「誇りを持って生きなさい」

母はそう言った。
それは、自らが誇りを持てぬ人生を送ってきたがゆえの言葉だった。

玲奈の世界には、「甘え」も「逃げる」という選択肢もなかった。
母の願いを裏切ることは、玲奈にとって**「自分の存在を否定すること」と同じだったからだ。**

だからこそ、玲奈は常に「気高くあろう」とした。

支配されることを拒み、従うことを否定し、
母の望んだ「誇り高い生き方」を貫くことで、自分の存在を証明してきた。

玲奈は、そう生きるべきだと信じていた。
少なくとも――蛇の檻に囚われる、その日までは。

その玲奈が―― 今、仮面の男の前で、無数の手に囲まれ、目隠しをされ、 自分の在り方を試されている。

「……私は……」

かすれた声で呟く。

玲奈は、まだ抗えるのか?
玲奈は、まだ拒絶できるのか?

「……っ……いや……」

頭を振ろうとしたが、身体は動かない。

なぜなら――玲奈は、“自分がどちら側の人間なのか”を、もう分かっていたからだ。

檻の中の美神 仮面の男は、玲奈の静かな反応を見逃さなかった。

「お前は、もう理解している」 その声に、玲奈の胸の奥が小さく震えた。

「まだ抗いたいのか? それとも――」 玲奈は答えられなかった。

無数の手は、玲奈を弄ぶためのものではない。

彼女を試し、“彼女が何者なのか”を見極めるためのものだった。

玲奈は目を閉じたまま、静かに息を吸う。

「私は……」

かすかに動いた唇が、何かを告げようとする。

しかし、その言葉の続きを彼女自身が分かっていなかった。

仮面の男は、玲奈の顎をそっと持ち上げた。

「まだ答えを出さなくてもいい」

その声は、玲奈を導く者のように、静かで、確信に満ちていた。

「お前が”答え”を見つけるまで、宴は終わらない」

玲奈の運命は、まだ始まったばかりだった
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