この作品は18歳未満閲覧禁止です
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蛇の檻
第4章 柊玲奈の生い立ち――檻へと至る道
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【母が縛られた夜】
玲奈が七歳の夜。
深夜、目を覚ました玲奈は、微かに聞こえる母の声に気づいた。
震えるような、押し殺された声。
「……やめて……っ……」
玲奈は、不思議に思いながら、静かに部屋を抜け出した。
暗い廊下をそっと歩き、両親の寝室の前で立ち止まる。
扉の隙間から、薄暗い灯りが漏れていた。
玲奈はそっと覗き込んだ。
そこで見た光景が、玲奈の人生を変えた。
母が、縛られていた。
白い手首が、柱に結ばれ、か細い足首にも縄が絡みついていた。
逃げることができないように、完全に拘束されていた。
「……やめて……」
母の声は、震えていた。
涙を浮かべ、かすかに首を振る。
その前に立つ父は、表情ひとつ変えず、静かに言った。
「お前が悪いんだ」
低く、冷たい声だった。
「俺の言うことに逆らうから、こうなる」
母の肩が小さく震えた。
玲奈は、扉の隙間からじっと見つめていた。
母が怯えていた。
母が痛めつけられていた。
父を憎いと思った。
なのに――
玲奈は、その母の姿を**「美しい」と思ってしまった。**
縛られながらも、母はどこか気高かった。
涙に濡れた頬が、淡く月光に照らされ、儚げに揺れていた。
白い肌に刻まれた縄の跡が、まるで花びらのように見えた。
玲奈の胸が、ざわめいた。
母が可哀想だった。
父を憎んだ。
でも、目を逸らせなかった。
それが何を意味するのか、玲奈には分からなかった。
ただ、玲奈はこの夜の記憶を決して忘れることはなかった。
玲奈が七歳の夜。
深夜、目を覚ました玲奈は、微かに聞こえる母の声に気づいた。
震えるような、押し殺された声。
「……やめて……っ……」
玲奈は、不思議に思いながら、静かに部屋を抜け出した。
暗い廊下をそっと歩き、両親の寝室の前で立ち止まる。
扉の隙間から、薄暗い灯りが漏れていた。
玲奈はそっと覗き込んだ。
そこで見た光景が、玲奈の人生を変えた。
母が、縛られていた。
白い手首が、柱に結ばれ、か細い足首にも縄が絡みついていた。
逃げることができないように、完全に拘束されていた。
「……やめて……」
母の声は、震えていた。
涙を浮かべ、かすかに首を振る。
その前に立つ父は、表情ひとつ変えず、静かに言った。
「お前が悪いんだ」
低く、冷たい声だった。
「俺の言うことに逆らうから、こうなる」
母の肩が小さく震えた。
玲奈は、扉の隙間からじっと見つめていた。
母が怯えていた。
母が痛めつけられていた。
父を憎いと思った。
なのに――
玲奈は、その母の姿を**「美しい」と思ってしまった。**
縛られながらも、母はどこか気高かった。
涙に濡れた頬が、淡く月光に照らされ、儚げに揺れていた。
白い肌に刻まれた縄の跡が、まるで花びらのように見えた。
玲奈の胸が、ざわめいた。
母が可哀想だった。
父を憎んだ。
でも、目を逸らせなかった。
それが何を意味するのか、玲奈には分からなかった。
ただ、玲奈はこの夜の記憶を決して忘れることはなかった。
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