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夜に咲く名前のない恋人達
第2章 ホストクラブデビュー
ルカは少し戸惑った表情を見せた後、ふっと笑って言った。

「本名って……?耳を貸して?」

ぷりんが恐る恐る顔を近づけると、ルカは彼女の耳元で、いたずらっぽく囁く。

「俺の本名は……き・ん・た・ま・ん……」

「えっ……?」

ぷりんは一瞬、何を言われたのか理解できずに固まった。

しかし、数秒後に理解して、顔が一気に赤く染まっていく。

「へっ……? し、下ネタ……?」

そんなぷりんの反応を見て、ルカはお腹を抱えて大笑いした。

「そんなに真っ赤になっちゃって、想像した? キャハハ」

「も、もうっ!! バカっ!! 最低っ!!」

ぷりんは恥ずかしさのあまり、ルカの肩をペチペチと叩く。

「痛い痛い。キャハハ。で……実際に見たことあんの?」

「な、ないですっ!!」

「ふ〜ん。じゃあ……まだ処女なんだ?」

その言葉に、ぷりんの顔はさらに赤くなった。

二十歳で誰とも付き合ったことがない。

経験なんてあるはずがない。

完全にバカにされている……

ルカくんは、幼馴染みの瑛人くんと全然違う……

少しでも『もしかして……?』なんて思った自分もバカだし、瑛人にも失礼だと思った。


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