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夜に咲く名前のない恋人達
第3章 ルカと歩むアイドル道
こうして、二人で10枚のチェキを撮ることになった。

1分×10回分の会話は、ルカがアイドルとしてのぷりんを褒めてくれた。

ショートボブの髪型が可愛い。
髪飾りが可愛い
黄色の衣装が可愛い。
指が細くて綺麗。

全てがぷりんを勇気づける言葉だった。

そして撮影されたチェキに、ぷりんが一枚ずつ名前とサイン、そして短いメッセージを書く。

『来てくれてありがとう』

『可愛いアイドルになるからね』

どれも、アイドルとしてありきたりの言葉。

でも、最後の1枚。

ぷりんは、ペンを握りしめて迷った後、意を決して書き込む。

これが私の気持ち……

ルカくんに届け……

『ルカくんのことが大好きっ』

そう書き終えると、ぷりんはそのチェキを、そっとルカの手に押し付けた。

「今日はありがとう。最後のチェキは家に帰ってから見てね? ……恥ずかしいから」

「ん? まぁ別に、チェキを見返す事なんてねぇけど」

「それはダメっ!! ルカくんは私のファン第1号なんだから、家に帰ってから絶対に見てね?」

「……はいはい」

ルカは少し笑いながら、チェキをポケットにしまう。

その何気ない仕草に、ぷりんの胸は高鳴っていた。

ルカが最後のチェキを見たかどうかなんて、ぷりんには知るすべもない。

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