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夜に咲く名前のない恋人達
第3章 ルカと歩むアイドル道
次の日。

ライブと特典会も終わった控え室。

お客さんは少しずつ増えて、目指していたアイドルに一歩近づけたはずなのに、ルカから遠ざけられたぷりんは、複雑な気持ちのまま。

「はぁ……」

ぷりんは控え室の隅で、軽くため息をつく。

「何かあったの?」

ぽんが心配そうに覗き込むが、「なんでもない」と笑ってごまかした。

そんな時、女性マネージャーがメンバーの前に立ち、手を叩いて声を上げる。

「聞いて~。来月、ぷりんの生誕祭をやることになったから、みんなよろしくね」

「えっ……?」

「生誕祭……?」

メンバーがざわめく中、姫がすかさずマネージャーに聞き返す。

「誰かぷりんの為にお金を出したんだ?」

「開催が決まったってことは、そういうこと」

生誕祭。

それは、ファンがお金を出し合って開く、推しへの年に一度の誕生日プレゼント。

ぷりんの為にライブ会場が用意され、この日だけはメンバーもサポートに回り、主役になれる。

ステージの飾りつけ、フラワースタンド、チェキ撮影用のお姫様の部屋のような豪華なセット等、全てがファンからのお金で用意される一大イベントである。

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