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夜に咲く名前のない恋人達
第3章 ルカと歩むアイドル道
毎日のように行われるライブで、ずっとぷりんはルカを待っていた。

結局ホストクラブで追い返されてから、ルカを1度も見ることがないまま、とうとう生誕祭当日を迎えてしまった。

定員300人の小さなライブハウス。

チケットは全て完売している。

ふらっと#らぶの現状を考えれば、健闘している方だ。

ぷりんのファンだけじゃなく、グループ全体のファンである箱推しや、姫先輩のファンも来てくれているのは分かっている。

それでも、ほとんどの人がぷりんの担当カラーである黄色のペンライトを振ってくれていた。

ルカくんは、来てくれてるかな……

ホストのルカが、他のアイドルファンのように、ペンライトを持っているはずがない。

ぷりんはステージで歌いながら、暗い会場の中の一人一人の顔を確認していた。

……いない……。

どこを探しても、ルカの姿は見つからなかった。

ライブも終盤に差し掛かった時、一番後ろの扉が開く。

そこにいたのは、黒縁メガネをかけたルカだった。

ルカくんっ…………!!

満面の笑みを浮かべたぷりんは、歌いながらルカに向かって思いっきり手を振る。

ルカも、小さく手を振り返してくれた。

しかし少し会場を見渡したルカは、すぐに背を向けて会場から出ていってしまった。

ルカの顔は見れた。

確かに、会場に来てくれた。

なんで……

すぐに帰っちゃうの……?

アイドルとして相応しくないほどの、落胆した表情をステージ上で晒してしまうぷりんだった。




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