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緋那子
第5章 淫カレ
コーチや監督も、先輩や同学年の男子も、誰もカメラを持っているような気配はありませんでした。

でも、タイムを測るマネージャーは、三脚にカメラをセットして、走っている先輩や同学年の男子を撮っていることはありました。

言われてみると、いつもカメラの角度は、先輩や同学年の男子に向いていたけど、その延長線上に私が練習しているハードルがあったことを思い出した。

どれくらいZOOMできるのかは、わからないけど、もしかしたら、望遠レンズなどをセットしていれば、見れるのかもしれないし、画素数によっては、再生の際に拡大しても、はっきりと見えるのかもしれない。

そうか・・・。だから、私が練習しているときに、視線を感じたのは、カメラのレンズだったのかもしれない、と思いました。そのタイミングで、

「雑談はそこまでだ。そろそろ、練習に出るぞ」

と、佐藤主将の声が聞こえたので、私はベンチが立ち上がり、如何にも今、着いたという感じで、出てきた佐藤主将以下の先輩や同学年の男子に挨拶をして、入れ替わりに更衣室に入りました。
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