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緋那子
第5章 淫カレ
そして、スタンドから聞こえる声援。

「姫!!!」

と、呼ぶ声。

「ひなちゃん!!!」

と、呼ぶ声。

どちらも、生まれて初めての呼ばれ方・・・。

でも、男子に名前を呼ばれる感じは恥ずかしいけど、嬉しいと感じました。

スタンドの近くまで歩くと、そちらを向いて手を振ると、そこからもスマートフォンのカメラで撮影されました。

「こっち向いて!!!」

「かわいい!!!」

という声。今まで、『前沢牛』だとか、『猛牛』『バッファロー』というようなあだ名しかなかった私にとって、『かわいい!!!』という声援は、嬉しいを通り越して恥ずかしいという感じでした。

佐藤主将や鈴木先輩、青山先輩たちが、自分の種目の準備に出て行くのと入れ替わりに、スタンド下から女子更衣室に向かいました。

大学ごとにわかれている更衣室。

私の大学の女子選手は、私だけのはず。4年生の先輩は、就活中のはずだから。

誰もいないはずなのに、人の気配。

「なかなかいい成績だったわよ」

と、言ったのは、土屋先輩。

「成績もだけど、いい感じで興奮していたわね」

と、笑ったのは、成田先輩。

「そうね。レーシングブルマの股間が濡れて、色が変わって、濡れているのが、丸わかりだったわ。だから、スタンドの男子も、新聞会、写真部、YouTube同好会も必死に撮影していたわ」

と、笑う土屋先輩。そして、

「なかなか、いいサービスだったわね」

と、話したのは、河尻先輩。
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