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好色なる一族
第4章 代償

佳代子が帰ってすぐ大五郎のスマホが鳴った。妻芳子からだった。芳子は日本美女学園という女子高で学園長をしていた。60歳だがまだまだその美貌に衰えはなく、夜の生活も毎日ではないが続いていた。
「今夜1人連れていくけどいいかしら?」
「構わんが、どんな子だ?」
「経理の21歳の子よ」
「21歳か、いいな。肌がまだピチピチだろう?」
「そう思うわ。まだ品定めしてないけど」
「わかった。楽しみだなあ」
「旦那様、お電話中申し訳ないですが、お客様です」
筑前が廊下から声をかけた。
「芳子、すまんが来客だ。切るぞ」
大五郎は電話を切った。
「誰だ?」
「宮野様ご夫妻です」
宮野か・・・。
「竹の間に通してくれ」
「かしこまりました」
大五郎は松の間を出て竹の間に入った。
「先生、今日はお願いがあって参りました」
来客は一人は宮野法治61歳、大五郎の官房長官時代の官房副長官で同じ派閥だった。もう1人は宮野の妻で飯倉夏子42歳、元アイドルだが今も芸能活動をしているが、歌も演技も下手で、いいスタイルにもかかわらず仕事と言えばバラエティかテレビショッピングぐらいだ。
二人は座布団の上に正座していた。大五郎も座布団の上で正座した。
「筑前、席外してくれるか」
「かしこまりました」
筑前は下がった。
「のり、元気してたか?」
筑前は宮野のことをのりと呼ぶほど可愛がっていた。
「どうした?のり何かあったのか?」
宮野は終始硬い表情で、座布団を外し畳に頭をつけた。
「岩瀬内閣は近いうちに終わるでしょう。もしかしたら選挙前かもしれません。そのとき総裁選に出たいんです」
はっきり言って大五郎は宮野にそんな欲があるとは思ってなかった。自分の後継も宮野でなく曽根崎にしたのもそのためだ。
「曽根崎には話したのか?」
「いいえ」
「同じ派閥から2人は出れないぞ。曽根崎が出ると言ったらどうするんだ?派閥が割れるぞ。覚悟はあるのか?」
「はい」
「推薦人20人の目途はあるのか?」
「いいえ、まだ7人です」
大五郎は右手で膝の上をポンと1回叩いた。
「今夜1人連れていくけどいいかしら?」
「構わんが、どんな子だ?」
「経理の21歳の子よ」
「21歳か、いいな。肌がまだピチピチだろう?」
「そう思うわ。まだ品定めしてないけど」
「わかった。楽しみだなあ」
「旦那様、お電話中申し訳ないですが、お客様です」
筑前が廊下から声をかけた。
「芳子、すまんが来客だ。切るぞ」
大五郎は電話を切った。
「誰だ?」
「宮野様ご夫妻です」
宮野か・・・。
「竹の間に通してくれ」
「かしこまりました」
大五郎は松の間を出て竹の間に入った。
「先生、今日はお願いがあって参りました」
来客は一人は宮野法治61歳、大五郎の官房長官時代の官房副長官で同じ派閥だった。もう1人は宮野の妻で飯倉夏子42歳、元アイドルだが今も芸能活動をしているが、歌も演技も下手で、いいスタイルにもかかわらず仕事と言えばバラエティかテレビショッピングぐらいだ。
二人は座布団の上に正座していた。大五郎も座布団の上で正座した。
「筑前、席外してくれるか」
「かしこまりました」
筑前は下がった。
「のり、元気してたか?」
筑前は宮野のことをのりと呼ぶほど可愛がっていた。
「どうした?のり何かあったのか?」
宮野は終始硬い表情で、座布団を外し畳に頭をつけた。
「岩瀬内閣は近いうちに終わるでしょう。もしかしたら選挙前かもしれません。そのとき総裁選に出たいんです」
はっきり言って大五郎は宮野にそんな欲があるとは思ってなかった。自分の後継も宮野でなく曽根崎にしたのもそのためだ。
「曽根崎には話したのか?」
「いいえ」
「同じ派閥から2人は出れないぞ。曽根崎が出ると言ったらどうするんだ?派閥が割れるぞ。覚悟はあるのか?」
「はい」
「推薦人20人の目途はあるのか?」
「いいえ、まだ7人です」
大五郎は右手で膝の上をポンと1回叩いた。

