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第3章 夏休み

「文ちゃんはずっと、彼氏とふたりでいたから…」
写真を見ながら郁が告白しました。郁は海に着いてからずっと、大学生3人と一緒に行動しました。チャラい外見と裏腹に、3人は紳士的で親切でした。

「うん、みんないい人だった」
郁は文ちゃんを通じ、その男たちの消息を今でも知っています。文ちゃんは外見と裏腹に一途で、高校生から付き合っていた彼氏と結婚しました。今は2児の母として元気に暮らしています。

「文ちゃんの旦那さんのお友達、みんな頑張ってるみたいよｗ」
彼らは当時大学４年生、郁たちと5歳違いです。文ちゃんの彼氏が前年、教育実習に来て知り合いました。

「先生と生徒が付き合っちゃだめだよねｗ」
郁は笑いながら言いましたが、若い男女が好きになることを学校は止められません。

「それで文ちゃんがあたしを誘ってくれた…」
行きの車内は彼氏の友達が運転し助手席に彼氏、2列目が郁と文ちゃん、3列目に友達ふたりが座っていました。

「みんな気を使ってくれて…うん、あたしたちはお姫様ｗ」
車内で盛り上がり、郁は大学生たちに気を許していました。そして2時間ほど走ると海に着きました。

「うん、民宿を予約してあった。そこで水着に着替えて…」
民宿は2部屋予約してあり、男女に別れて部屋に入りました。着替えるとさっそく郁たちも海に出ました。その日は平日で茨城の海は静かでした。

「少しだけ海ではしゃいでから、みんなで海の家に」
泊まりなので皆、お酒も飲んでいます。郁は未成年でしたが、少しだけ甘いお酒を飲みました。