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第2章 初体験

「なんてね…ちゃんと言うよ！その時は告白しただけ！」
「告白？郁が？！」
「うん、あたしが告白したの…」
店長がお店の車で郁を家まで送ってくれました。その間、郁はずっと緊張していたそうです。それはいつ、気持ちを伝えようかずっと考えていたからでした。そしてその瞬間は、郁の家のすぐ近くでした。

「家のすぐ近く、お兄も知ってる公民館の前で車を止めてもらった」
「そこで告白したの？」
「うん…お父さんみたいで好きですって！！」
郁の言葉に店長は一瞬言葉を失いましたが、すぐに笑顔になりました。そして一言、ありがとうと言いました。

「あたし、なんか猛烈に恥ずかしくなって…だって、バカみたいでしょ？」
送ってもらったお礼だけ言うと、郁は車を降りて走って帰りました。次のシフトは翌日でした。郁はもう、バイトに行けないと悩んだそうです。

「でもね…その夜、店長からメールが来て」
「メール？」
「うん…娘みたいで一緒に働いて楽しいです。これからもよろしくって」
郁は嬉しくなり、ちゃんと次の日もアルバイトに向かいました。その日も店長とふたりの勤務でした。

「店長、いつもと一緒…やさしいお父さんだった」
「郁は…お父さんを求めてたの？」
「わかんない…」
郁は本当にすべてのことを話してくれました。それは衝撃的でしたが、僕にはとてつもないご褒美のような告白でした。