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1995 Winter 俺の初体験の相手は32歳
第1章 宴もたけなわでございますが・・・

俺が当時住んでいたのは、単身者向けの1Kのアパート。
そこは、社員寮というほどでもないが、会社が借り上げている建物だった。
両隣は同期だった。
2階建てのアパート。
その1階の105が俺の部屋だった。
美濃里の部屋番号は知らなかった。
というより、同じ単身者向けのアパートに住んでいることすら知らなかった。
嫌だが、嫌だと言える立場ではなかった。
新入社員の身分で、他部署とはいえ、先輩の願いを無下にできるわけもなかった。
仕方なく、
「いいっすよ」
と、俺は答えた。
「ありがと」
端的に答えた美濃里。
酔っているからなのか、真っすぐに歩けない感じの美濃里。
「待っていてください。車を取ってきますから」
俺は預けたパーキングに車を取りに向かおうとした。
間違いなく、美濃里と一緒では時間がかかる。
ここで待たせておいて、迎えに来た方が早い。
しかし、美濃里は、
「一緒に行こう」
と、言って千鳥足で着いてきた。
時間がかかるが、仕方がない。
俺は肩を貸しながら歩いた。
アルコールのニオイと、妙に甘い香りがした。
パーキングに着くと、パーキングのオッサンが、女連れの俺を見て、少し羨ましそうに見た。
俺が預けたときに受け取ったチケットを見せると、機械式駐車場の操作をするオッサン。
「いいねぇ。若いってのは。彼女かい?」
と、待ち時間に尋ねるオッサン。
「違う。会社の先輩」
と、話したくもないから、素っ気なく答えたが、
「そうか。いい女だな」
と、ニヤリと笑うオッサン。
「そうか。俺は興味はない」
と、苦笑いした。
「もったいないね」
と、オッサンが笑うのと同時にブザーの音がして、俺の車が降りてきた。
「ここで待っていてください」
俺は、美濃里に話した。
ボーっとしている美濃里を残して、俺は車に乗り込み、エンジンを掛けた。
車を前進させると、後部座席のドアを開けて、
「どうぞ」
と、美濃里を誘った。
「ありがと」
また端的な返事をして、美濃里が乗り込んで座った。
運転席に戻り、俺は車を前に進めると、歩道の先で車道に出て誘導するオッサン。
意味ありげに笑いながら、
「ありがとうございました」
と、オッサンが被っていた帽子を手に取って頭を下げ、その手を振った。
そこは、社員寮というほどでもないが、会社が借り上げている建物だった。
両隣は同期だった。
2階建てのアパート。
その1階の105が俺の部屋だった。
美濃里の部屋番号は知らなかった。
というより、同じ単身者向けのアパートに住んでいることすら知らなかった。
嫌だが、嫌だと言える立場ではなかった。
新入社員の身分で、他部署とはいえ、先輩の願いを無下にできるわけもなかった。
仕方なく、
「いいっすよ」
と、俺は答えた。
「ありがと」
端的に答えた美濃里。
酔っているからなのか、真っすぐに歩けない感じの美濃里。
「待っていてください。車を取ってきますから」
俺は預けたパーキングに車を取りに向かおうとした。
間違いなく、美濃里と一緒では時間がかかる。
ここで待たせておいて、迎えに来た方が早い。
しかし、美濃里は、
「一緒に行こう」
と、言って千鳥足で着いてきた。
時間がかかるが、仕方がない。
俺は肩を貸しながら歩いた。
アルコールのニオイと、妙に甘い香りがした。
パーキングに着くと、パーキングのオッサンが、女連れの俺を見て、少し羨ましそうに見た。
俺が預けたときに受け取ったチケットを見せると、機械式駐車場の操作をするオッサン。
「いいねぇ。若いってのは。彼女かい?」
と、待ち時間に尋ねるオッサン。
「違う。会社の先輩」
と、話したくもないから、素っ気なく答えたが、
「そうか。いい女だな」
と、ニヤリと笑うオッサン。
「そうか。俺は興味はない」
と、苦笑いした。
「もったいないね」
と、オッサンが笑うのと同時にブザーの音がして、俺の車が降りてきた。
「ここで待っていてください」
俺は、美濃里に話した。
ボーっとしている美濃里を残して、俺は車に乗り込み、エンジンを掛けた。
車を前進させると、後部座席のドアを開けて、
「どうぞ」
と、美濃里を誘った。
「ありがと」
また端的な返事をして、美濃里が乗り込んで座った。
運転席に戻り、俺は車を前に進めると、歩道の先で車道に出て誘導するオッサン。
意味ありげに笑いながら、
「ありがとうございました」
と、オッサンが被っていた帽子を手に取って頭を下げ、その手を振った。

