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1995 Winter 俺の初体験の相手は32歳
第4章 I've fallen in love.
「わたしは?」

思わず聞き返してしまった…。すぐには答えず、何か、考えている風だった…。そして、俺の顔を見て、

「そんなことが気になるの?」

と、言って目を伏せた…。言いたくないのはわかっていたけど…、気になってしまった…。でも、ここは、

「言いたくないなら言わないでいいです」

と、俺は返したが…。

「あれが、不幸の始まりだったから…」

意味深な言葉が返って来て、さらに、俺は困惑しつつも、何が不幸だったのか…。知りたくなった…。黙って、俺は美濃里の顔を見た。

「さっき『わたしと結婚する勇気はあるの?』って言ったけど、わたしと結婚なんてできないのよ」

美濃里が話し始めた…。意味がわからなかった…。結婚できない?結婚したくないではなく?俺は軽く首を傾げた…。それを見て、

「わたし、結婚しているのよ」

美濃里が答えた…。結婚している…。単身者向けのアパートに住んでいて…。しかも、結婚指輪もしていない…。子供がいるとも聞いたこともない…。そもそも、接点がなかったから、情報はほとんど持ち合わせていなかったけど…、俺は、独身とばかり思っていた…。

「単身者向けのアパートに住んでいるから、独身だと思った?」

俺の思考を見透かしたように、美濃里が話した。俺は頷いた。

「ほとんど、独身みたいなものだけど、戸籍上は離婚が成立していないの…。と言っても、あと数か月だけど…」

俺は、離婚裁判中?と思った。

「離婚調停とか、そういうことじゃないのよ。失踪宣告って知っている?」

なんとなくは知っていた…。行方不明になって一定期間が過ぎると認められる死亡扱いか何かになる…

「夫が行方不明なの。もうすぐ7年になるわ。音信不通なの…」

苦く笑う美濃里…。7年…。32歳だから、25歳のとき…。

「24歳で、知り合って、すぐに付き合いだして、結婚することになって…。でも、彼が欲しかったのは、名字。事情はよくわからないけど、名字を変えたかったのよ。それだけの理由だったみたい…。わたしは、好きで結婚したけど、彼は、誰でもよかった…。単に名字を変えたかっただけだから…。だから、彼は、わたしの前野という名字を名乗ったわ…」

唇を噛む美濃里…。
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