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忘年会の想い出-初体験の女・美濃里
第4章 I've fallen in love.
俺が頷くと、

「10歳年上だったから、今は42歳。某商社で仕事をしていると言っていたけど、嘘だった。音信不通になって、警察に捜索願を出しに行って、旧姓と名前を伝えたら、反社会的勢力の構成員だとわかって…。結婚して名字を変えたのは、潜伏しているって感じだったのかもしれないわ…。イケメンだと思ったけど、整形していたこともわかったわ…。そう、何もかもが偽りだったのよ」

と、話し尽くしたという感じで話を終えると最後に、

「バカな女でしょ。偽りの姿を好きになって、結婚までして…」

と、自嘲した…。

「でも、もう、独身に戻れるんですよね?」

俺は、美濃里の顔を見つめて言った。

「そうだけど…。佐久間君、バカなことは考えない方がいいわよ。同情や一時の感情で道を過ったら取り返しがつかないわよ」

俺の心を読み切ったように話した…。

「ですかね…」

俺が言うと、

「わたしのことなんて、何とも思っていなかったでしょ。毎朝、挨拶しても、邪魔くさそうに返していたし。忘年会のあとも、わたしに声を掛けられて、鬱陶しそうだったじゃない?」

と、俺の顔を見ていたずらっぽく笑った。たしかにそうだった。

「後悔した方がいいわよ。そんな女で童貞を捨てたんだから…。もっと、好きで恋焦がれるような女の子と初めてはした方がよかったはず」

また、いたずらっぽく笑った…。その笑顔が妙に、俺にはツボだった…。

「そうかもしれないけど、後悔はない…。というか、後悔は、中でいけなかったことくらいかな」

俺は笑った…。首を傾げて、俺を見る美濃里…。

「避妊してくれたら、中でもいいよ」

いたずらっぽく、また、笑った…。

「えっ?」

意外な言葉に俺の方が慌てて、声が上ずった…。

「7年以上していないのよ」

それだけ言って、また、いたずらっぽく笑った…。そうか、セックスレスっていうことか、俺にも理解できた…。だから、あんなに濡れやすかったのかもしれない…。わからないが…。

「だから、あんなに濡れたの?」

笑いながら俺は聞いてみた。

「知らないわ。寝ているわたしに悪戯したからじゃないの?」

言葉に詰まった。

「図星ね」

また、いたずらっぽく笑った…。

「というか、起きていて、悪戯されるのを楽しんでいたんじゃないですか?」

俺は、笑いながら言い返した。
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