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1995 Winter 俺の初体験の相手は32歳
第7章 余韻から始まる再挑戦
二番手投手…。絶対的エースの右の本格派が同期にいた。そいつは、大学野球で活躍し、当時は都市対抗野球などで期待されていた。

俺は、高校三年の夏で、野球人生は終了。左投げの変化球投手なんて、そんなもの…。120キロ台のストレートと、シュート、シンカー、スライダー、カーブ、チェンジアップ。球種は多かったが、シュートとスライダーの左右の揺さぶりで抑えるには、ストレートの球速が不足していた…。せめて130キロ台のストレートがあれば、大学でも野球ができたかもしれない。

大学でバケる奴もいるし、そう言われて大学でも野球を…とも思ったが、最後の夏の大会。準々決勝。先発し、5回2失点。被安打4本。四死球0個、奪三振6個。6回表にマウンドに上がった時、俺は肘に痛みを感じた…。変化球投手の宿命だ。リトルリーグ、シニアリーグ、高校野球。10年、投げてきた肘がついに限界に達した…。そんな感じだった。しかも、最後の夏の大会。0-2で負けていた。

「壊れても投げる」

俺は、後ろにいる絶対的エースにマウンドを譲りたくなかった。監督には伝えたが、

「投げられなくなるだけで済まない可能性もある。交代だ」

と、取りつく島もなく、アンパイアに交代を告げていた…。結果は、0-9で負けた。絶対的エースが打たれ、最後は、2年生に任せるしかなかった…。打線が沈黙した以上、仕方がない…。誰が投げても勝てない…。2打数0安打だった俺にも、責任がある。ヒットを一本も打てず、塁に出られず、2失点。俺の野球人生は終わった。

あれからだったゲーマーになったのは。努力は報われる…。そう言われて頑張り続けた高校野球。

報われたのだろうか…。クソ真面目に練習は欠かさずしていた。というより、時間を見つければ、バットを振り、タオルを振り、ボールを握り…。無駄だったとは言わないが、才能がなかったし、身体もついてこなかった。

ゲーマーになった理由は、RPGだった。これは、努力してレベルを上げれば、確実に強くなる。そして、ケガもしない。というより、死んでも復活の呪文があったり、セーブしたところからやり直せる。そう、RPGこそ、『努力は裏切らない』

クリアしてエンドロールを見る感慨と達成感。野球では得られなかった達成感だった。

思い出せば、野球はいつも中途半端で手応えはあっても、達成感はなかった…。
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