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1995 Winter 俺の初体験の相手は32歳
第8章 寝息と吐息の眠り姫
愛だとは言えない。

そもそも、好きではなかった。というより、恋愛対象として、見たこともなければ、考えたこともなかった。

ファーストコンタクトは、内定が決まって、配属が決まり、入社に向けて、支店が用意したこの部屋。単身者向けアパート『ハッピーライフⅡ』のこの部屋の鍵を受け取りに、支店を訪問したときだった。

そのときに、不動産業者から預かっていた鍵を俺に渡したのが、美濃里だった。そう、あの時は、美濃里の胸に、

「前野」

と、書かれた名札を見て、前野という苗字を憶えた記憶があるくらいだった。特に、そのとき、何か感情が動いたこともなかった。

たしかに、大きな胸をしていたのかもしれないが、それに興味が沸くこともなかった。要するに、総務経理のオバサンという把握にとどまっていたということだ。

受けた印象も、『冷たい』『無表情』という感じだった。それが、たった24時間で…。

「天変地異」「万物流転」「諸行無常」「禍福は糾える縄の如し」「万事塞翁が馬」とかいろいろ頭に浮かんだが、どれもしっくりこなかった。

そして、「一寸先は闇」くらいがいいのかもしれないが、闇ではない…などとも思ったが、今ならわかる。

一番ふさわしいのは『魚心あれば水心』だろう。とすれば、俺があの時に望んだのは、『水魚之交』ということだ。

しかし、何れにせよ、俺の心を乱し続けたのは、美濃里の行方不明の夫の存在だった。

もしかすると、美濃里にフェラチオを教えたのは、その行方不明の夫の可能性もある。美濃里は自学自習もしたとは言っていたが、見様見真似でしているようには思えなかった。

美濃里のフェラチオで、男根が反応すれば、反応するほど、美濃里が十分に経験を積んでいるように思え、その向こうに、美濃里にフェラチオを憶えさせた行方不明の夫の形のない姿が見えるような気がして、俺の心に、嫉妬の炎が燃えていた。

美濃里の俺を見上げる表情。この可愛い、綺麗な顔を見ながら、それを大事に思わず、海外逃亡のために利用した男…。嫉妬だけではなく、怒りの炎も燃えていた。

なぜ、嫉妬するのか、なぜ、怒るのか…。やはり、俺は、この女が好きなんだ…。好きになってしまったのだと、自覚したと、同時に、高まる感情。咥えている美濃里の顔を見ながら、波動砲のエネルギー充填率が120%になっていることを自覚した。
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