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1995 Winter 俺の初体験の相手は32歳
第10章 上書き保存
当時、TSUTAYAやゲオには、「仁義なき戦い」「広島仁義」「昭和残侠伝」「血と掟」など、多数のヤクザ映画やVシネマが溢れており、人気を博していたことは周知のことだった。

しかし、俺自身は、その内容を意外に知らなかった。

どちらかというと、馴染みがあったのは、喫茶店に置かれていた漫画「ミナミの帝王」や漫画「サンクチュアリ」などのヤクザ漫画だった。

だからか、なんとなく、美濃里の行方不明の夫のイメージは、漫画「サンクチュアリ」の北条 彰だった。

しかし、実際は、格闘技系。ある意味、武闘派に近いが、頭脳派でもあるというある意味、文武両道。

だが、人望がない…。所謂、ヤクザの世界でいう「男気がない」という感じ。うまく立ち振る舞い、利益を求めて暗躍して、いいところだけを掻っ攫うという狡猾な男だった。

少なくとも美濃里が警察で聞いた話からすると、それがもとで、日本にいられなくなった。

警察からも同業者からも追われているということだった。

俺は、22歳で、知識も経験もなかったが、同業者に追われているなら、もう、マニラか東南アジアのどこかで殺されて埋められているのではないか…と、美濃里には言わなかったが、俺なりに想定した。

エッチの内容に話が向かうのかと思ったが、そこで言い淀む美濃里…。

思い出して恥ずかしそうに顔を赤らめたが、話し始めようとはしなかった…。やはり自分のエッチの内容を自分の口から話すのは躊躇いがあるのだろう…。

「無理しないでいいよ」

俺は、そう言って、顔を赤らめたまま、俯く美濃里に話しかけた…。

「恥ずかしいんだろ」

俺は、顔を赤らめている美濃里に、重ねて言った。

「思い出したら…。ここが熱い…」

美濃里が指さしたのは、下腹部…。

「それに、言葉では説明するのは難しいわ…」

多分、思い出すことはできたのだろう。そして、感じるくらいにリアルに思い出せているのだろう。でも、言葉で説明するのは難しいということは、恥ずかしいのか、それとも、内容を言語化することが難しいのか、どちらなのか、俺にはわからなかった。

ただ、

「そういえば、アレがあったわね…」

と、呟いて、また、俺を走らせた。

「わたしの部屋の、キッチンのシンクの下の引き出し…。その奥にある白いケースを取って来て」

と、だけ伝えて。
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