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さくらドロップ
第3章 強奪
「ねぇ」

 戸惑いがちに声を掛けると、ん、と短く返ってくる声。その態度は正に不機嫌そのものって感じだ。
 思わず溜息が出る。面倒で、少しだけ不安に思った。

「もう、何にそんな怒ってるのよ。なーに考えて―――」
「お前がっ」

 バンッ。
 急に、目の前に腕が伸びて、音を立てて壁を打つ。
 驚いて目を見開く。見上げた先にいた翔は、酷く顔を歪めて、私を見ていた。

「お前がっ…、お前の方がっ…!」

 絞り出すように吐き出された声。震える唇が開いて、けれどもそれ以上の言葉は出ない。
 動けない。声も出ない。時が止まってしまったかのように、思考も止まる。ただ、ゆっくりを近付いてくる翔の顔を、見つめることしか出来ずにいた。

「茜さん」

 ハッと、我に返ったのは、まだ慣れない、無機質な声だった。

「あれ、金髪くん、どうして」
「何してるんですか」
「何って…、ちょ、翔、近い近い」

 ぐいっと体を押しのけると、翔の方も気が抜けていたのか、呆気なく離れた。
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