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檻の中の花嫁
第1章 宿命
薄暗い灯りに照らされた風呂場には、濃い湯気が立ちこめ、不気味な静けさが漂っていた。

澪は石畳の上に正座させられ、肌にまとわりつく湿り気と、背後に感じる老婆の気配に、かすかな震えを抑えきれずにいた。

(なぜ、こんなことに…?私は一体、どこへ連れてこられたの…?)

頭の中を疑問が駆け巡り、澪の思考は混乱するばかりだった。

「怖がらなくてええんじゃよ。」

湯気の向こうから、老婆のしわがれた声が優しく響いた。
湯船の脇に膝をついた老婆は、薄笑いを浮かべながら澪に手招きした。
その表情はどこか慈愛すら感じさせ、一瞬だけ澪の心に安堵が芽生えた。

「さあ、こっちにおいで…」

老婆はゆっくりとした動作で澪の手を取り、荒れた指先でそっと握りしめた。
その手のひらは氷のように冷たく、澪の背筋にぞくりと悪寒が走った。

澪は恐る恐る湯船に足を入れた。

ぬるりとした生暖かい湯が膝までを包み、その異様な感触に思わず息を呑んだ。
老婆はなおも微笑みを絶やさず、澪の隣に寄り添うように腰を下ろした。
白い湯気の幕の中、老婆の皺だらけの顔がぼんやりと浮かび上がった。

「いい子じゃ…そう、そのまま。これはお前の宿命じゃ…」

囁くような老婆の声に、澪ははっと顔を上げた。細められた老婆の眼の奥で、奇妙な光が揺れているのが見えた。

「宿命…?」

澪は喉を震わせ、掠れた声を絞り出した。訳も分からず連れて来られた、この儀式めいた状況――嫌な予感が彼女の胸を締め付けた。

逃げなければ――澪の心がそう叫んだ。

しかし、老婆の手はいつの間にか澪の細い肩に回されており、驚くほどの力で動きを封じていた。にこやかな表情のまま、老婆の指がじっとりと澪の肌をなぞった。

「そうじゃとも。お前はこの村の掟に従わねばならん。お前の役目じゃ」

老婆の低く冷たい声が、湯気の中に響いた。先程までの穏やかさは、影も形もなかった。澪は心臓が凍りつく思いがした。

「やめて…お願いです…」

澪は震える声で訴えた。しかし、老婆の顔は凍りついたように無表情で、澪の言葉など聞こえていないかのようだった。

老婆は盆から柄杓に湯を汲むと、儀式じみた所作で澪の肩口にゆっくりとかけた。

ぬるりと湯が肌を伝い落ちるたびに、澪は尊厳を一滴一滴奪われていくような感覚に襲われた。
涙が滲みそうになるのを、彼女は必死に堪えた。

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