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俺の瞳にうつしたいものは
第4章 誰だよお前

(いや
だからってここまで殴ることねえよ……)
拳を握りしめ、
男の淡々とした様子に
殴りかかりたい衝動がふつふつ湧き上がってくるが
「興味本位で首を突っ込むな」
静かにこちらの喉元へ、まるで
いいきかせるように言葉を打ちこむ
「ガキは
大人しくシコって寝ろ」
膝を払って
韓流もどきは背を向けた
冷たい出立ちに似合わず
歩き出すその様は心なしか千鳥足に見える
(酔ってんのか?
変な男……)
ゴミ箱や電柱にぶつかりそうになりながら
黒い背中が遠ざかっていった

