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俺の瞳にうつしたいものは
第2章 2

「だって今年に入って一度も登校してきてないじゃん」
「ていうか藤成さんって下の名前ひとみっていうんだ?
仲良いの?」
「うるせえな、そんなもんいらねえって」
ドカ
ッ
他人の口からひとみの名前を出されて、なぜか猛烈にイライラしてしまい、
気がつけば机を蹴飛ばしていた。
「何怒ってんのよ…」
ドン引きした声が聞こえたかと思うと、龍弥が笑いながら女子の肩を抱いた。
「まあまあ、こんなめんどくせえ話はやめて俺と屋上いかねえ?」
「ちょっと!気安く触らないでよ」
言葉はとげとげしいが、女の子の表情は少し嬉しそうに見える。
龍弥はバカだ。
肩まで伸ばした時代遅れの黒髪ロン毛。センスのない金色のピアス。
だがそれを上回るほどに顔が整っている。
龍弥が女の子たちを抱いて教室を出ていくのを見送り、俺は心の中でそっとお礼を言う。
ひとみの机の花瓶を、窓際に置き直しながら。
「ていうか藤成さんって下の名前ひとみっていうんだ?
仲良いの?」
「うるせえな、そんなもんいらねえって」
ドカ
ッ
他人の口からひとみの名前を出されて、なぜか猛烈にイライラしてしまい、
気がつけば机を蹴飛ばしていた。
「何怒ってんのよ…」
ドン引きした声が聞こえたかと思うと、龍弥が笑いながら女子の肩を抱いた。
「まあまあ、こんなめんどくせえ話はやめて俺と屋上いかねえ?」
「ちょっと!気安く触らないでよ」
言葉はとげとげしいが、女の子の表情は少し嬉しそうに見える。
龍弥はバカだ。
肩まで伸ばした時代遅れの黒髪ロン毛。センスのない金色のピアス。
だがそれを上回るほどに顔が整っている。
龍弥が女の子たちを抱いて教室を出ていくのを見送り、俺は心の中でそっとお礼を言う。
ひとみの机の花瓶を、窓際に置き直しながら。

