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第4章 もう1人の淳。

少し混乱しながらも、
状況を把握しようと、口を開く。
菜摘『少しあなたの事情を
説明してもらって
いいかしら？』

淳『事情ですか？なにをお知りに
なりたいですか？』

菜摘『まず、確認だけど、
あなたは、多重人格なのよね？』

淳『はい、そうです。』

菜摘『ということは、あなたの他にも
人格があるということよね？』

淳『はい、いくつか違う人格が
この身体には、存在しています。』

菜摘『さっきの淳は、眼鏡を外すと
その時の記憶がないといって
いたわ。それは、どういうこと
なの？今までの話しぶりから
して、あなたは、現状をきちんと
把握しているわよね。』

淳『はい、お察しの通り、私は
きちんと状況がわかっております。
理由としては、やはり人格が
違えど、もともとは、
同じ人物だからでしょうか、
状況は、私の中に鮮明に流れこんで
くるんです。そして、主人格に
私達違う人格が出ている際の
記憶がないのは、本人が私達の
存在を忘れ、その記憶がない理由
さえも無意識に否定し、
考えないようにしているから だと、
考えられます。実のところ
私自身はっきりとした理由は、
わかっていないので、そのぐらい
しかこの点については、お答えで
きませんが…。』

菜摘『そうなの。あなたもいろいろ
複雑なのね。』

淳『複雑ですか。まあそう言われて
みれば、そうかもしれませんね。
ですが、気にしてもどうにも
ならない事はこの世の中には
ごまんとあります。そのような
事に比べれば、 小さな事です。』