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第8章 ２０２５年３月１６日

その長い列に並んで、モネの
世界かんを再現したセットの様な
場所で記念撮影をしてから。

前の人に続いて中に入った。

その……普通の展示会にない
鑑賞方法に驚いたんだけど。
スタッフの人に案内されて…
スクリーンが沢山立っている
スペースに案内されると、
先に案内された人から床に座っていて。

床の上と言うと…言い方が
悪いかもしれないけど…、
クッションを貸して貰えるので
そのもちもちのクッションの上に
座って…目の前に…会場を
囲むように設置してあるスクリーンに
次々に印象派の名画たちが映し出される。

その…名画は…クラッシックの調べに
合せて投影される様になっていて。
スクリーンの中の部分…良く見る
名画として私達が認識している
部分の縁取りとか枠組みを超えて来ていて。

名画の世界が……こっちに来ているのか、
こっちが名画の世界に入ってるのか
普通の展示会にはない…新しくて
斬新な感じの展示をしていて。

公式サイトでは自由に…その中を
歩いたり座って眺めたりとか
出来る…感じのイメージ画像で…。
土日みたいに混雑して無ければ
あの公式サイトみたいな…楽しみ方も
できるのかなぁとか思ったりとか…。

とは言え…良くある特別展とかとは
完全に勝手が違う鑑賞のスタイルで。
映像は…４５分間ほどのボリュームが
あるので、見ごたえは十分にある。

『歩いて見て回らなくていいんだったら、
このスタイルへの抵抗さえ
無くなってしまえば…、快適ですね』

天候や気温に左右されないで
繊細な色彩が映像化されていて。
時代が変われば…こんな風に…、
新しい絵画の楽しみ方もあるのかなぁって。
そんな風に思ったりとかして。
新しい経験をさせて貰ったって
そんな感じ…だったんだけど…。

遅めに朝食を摂ったお陰で
お昼の時間は過ぎてたけど…、
大してお腹も空かずに…鑑賞し終わって。

ランチしてアトアに行って…
それから垂水に帰って来たんだけど。

夕飯の買い物も済ませて、
テラスハウスの前の駐車場に
彼が車を駐めてエンジンを切ると。

『終わっちゃいましたね…巴』

「うん、終わっちゃったね…港斗」